遺産の分割
遺産の分割とは、相続人の間で被相続人の財産と債務の帰属を定めることです。
民法906条
遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。
遺産の分割方法
指定分割
被相続人が遺言によって指示した分割方法(民法908条)で、この分割方法が最優先されます。
遺産分割協議
被相続人の遺言による指定がない場合には、共同相続人全員の協議で分割が行われます。(民法907条1項)
全員の参加と同意が必要で、一部の共同相続人を除外したり、意向を無視した分割協議は無効となります。
分割協議においては、民法906条の基準に準拠しなければなりませんが、結果的にどのような分割になっても意見の一致をみたものであれば、遺産分割協議は有効となります。
家庭裁判所における調停分割
調停分割は、家庭裁判所において調停委員2名が当事者に加わって協議を行い、分割を成立させる方法です。
審判と異なって、法定相続分に拘束されません。
調停分割が成立すれば、遺産分割協議書に代わる調停調書が作成されます。
家庭裁判所における審判分割
裁判官は法定相続分に拘束され、全共同相続人の合意がない限り、法定相続分に反する分割はできません。
具体的な分割方法は、裁判官の裁量に委ねられます。